インコって、同じ「鳴く」でも声がかなり違います。
呼ぶように鳴いたり、小さくゴニョゴニョ言っていたり、ときには「今、何かしゃべった?」と思うような声まで出します。
ただ、インコの鳴き声は「この声なら必ずこの気持ち」と簡単に決められるものではありません。
鳴いている時の様子や、その前後の行動も一緒に見ることが大切です。
インコの鳴き声にはどんな意味がある?

インコにとって鳴き声は、仲間とやり取りするための大切な手段です。
離れた仲間を呼んだり、周囲に反応したり、その時の状態によっていろいろな声を出します。
オウム類では、仲間との連絡に使われる「コンタクトコール」と呼ばれる発声も研究されています。さらに、周囲の仲間に合わせて鳴き方を学習したり、変化させたりすることも確認されています。
ただ、家で飼っているインコを見て「ピッと鳴いたからうれしい」「大声だから怒っている」と、声だけで判断するのは難しいです。
よくある鳴き声と出やすい場面
仲間や飼い主を呼ぶ鳴き声
飼い主が部屋から離れた時などに、大きな声で何度も鳴くことがあります。
いわゆる「呼び鳴き」と呼ばれるものです。
野生のオウム類でも、離れた仲間との連絡に使う鳴き声があります。家で暮らしている子の場合は、その相手が仲間ではなく飼い主になっていることもあります。
ただ、大きく鳴いているからといって、すべてが呼び鳴きとは限りません。何かに驚いた時や、興奮している時にも大きな声は出ます。
小さな声でゴニョゴニョ鳴く
大声ではなく、小さな声で続けて鳴いたり、独り言みたいにゴニョゴニョ声を出すこともあります。
落ち着いている時に見られることもありますが、これも鳴き声だけで気持ちを決めることはできません。
その時に羽を膨らませて休んでいるのか、周りを見ながら動いているのかでも印象は変わります。
警戒や興奮で強く鳴くこともある
見慣れない物が近づいた時や、大きな音がした時などに、普段より強い声を出すことがあります。
こんな時は鳴き声だけでなく、体を細くしていないか、逃げようとしていないか、何かをじっと見ていないかなども確認します。
「大きな声=怒っている」と決めつけず、何に反応しているのかを見る方が分かりやすいです。
何かを要求しているように鳴く
放鳥してほしい時、飼い主に近づいてほしい時などに、決まった声を出すようになる子もいます。
鳴いたあとに飼い主が反応することを繰り返していると、その声と飼い主の反応が結びついていく可能性もあります。
そのため「要求鳴き」と一括りにするより、その声を出したあと何が起きているかまで見ておくと、その子なりのパターンが見えてきます。
さくらちゃんの場合は『さくらちゃーん』と鳴けば出してくれる確率が高いと学習した様子です。
人の言葉みたいな声を出すのはなぜ?
インコやオウムの仲間は、聞いた音を覚えて、自分の声として出すことができる鳥です。
こうした能力は「音声学習」と呼ばれます。
飼育されているオウム類877羽を調べた研究でも、人の言葉やフレーズ、生活音などをまねるレパートリーには、種類だけでなく個体によってかなり大きな差がありました。
だから、インコが人の言葉みたいな声を出しても不思議ではありません。
ただし、人の言葉と同じ意味を理解して会話しているとまでは簡単に言えません。
一方で、学習した発声を特定の状況で使う例も報告されています。全部がただの音のコピーとも言い切れない、というところが面白い部分です。
さくらちゃんは鳥っぽくない声で鳴く
うちのさくらちゃんは、こうした言葉っぽい鳴き方がかなり多いです。
よく聞こえるのが、こんな声です。
- 「ちょーだい!」
- 「さくらちゃーん」
- 「ヴィトウィン!」
- 「びっちゅー」
もちろん、すべてが本当にその言葉を言っていると断定しているわけではありません。
ただ、毎日聞いている飼い主にはそう聞こえる、かなり独特な鳴き方です。
今回、4歳半になったさくらちゃんがケージの中で鳴いている様子を、BGMなしで動画にしました。
説明用に鳴き声を集めたものではなく、1日の中で実際に次々と出していた声です。
みなさんには何て聞こえるでしょうか。
同じ環境でも鳴き方には個体差がある

同じように暮らしていても、3羽の鳴き方はかなり違います。
さくらちゃんは言葉のように聞こえる声や独特な発声が多いですが、さいちゃんが言葉っぽく発声するのは、今のところほぼ「ちょーだい!」だけです。
ぽぽちゃんは、さくらちゃんのような言葉っぽい発声はほとんどしません。
研究でも、オウム類の音声模倣のレパートリーには、同じ種類の中でもかなり大きな個体差があることが確認されています。
「インコならみんなおしゃべりする」「同じ種類なら同じように鳴く」というわけではない、ということです。
急に鳴き声が変わった時は注意
普段から変わった声を出していることと、いつもの声が急に変わったことは分けて考えます。
たとえば、急に声がかすれた、鳴こうとしても声が出にくい、声量や発声回数が明らかに減った、といった変化です。
さらに、呼吸の様子がおかしい、元気や食欲が落ちているなど、ほかの変化も一緒に見られる場合は、鳥を診られる動物病院へ早めに相談してください。
普段の鳴き声を知っておくことは、「いつもと違う」に気づくためにも役立ちます。
鳴き声はその子を知る手がかりになる
インコの鳴き声には、仲間を呼ぶ声や周囲への反応、人や音をまねた発声など、いろいろなものがあります。
ただ、鳴き声だけを聞いて気持ちを決めつけるのではなく、姿勢や行動、その時の状況まで一緒に見ることが大切です。
毎日一緒にいると、「この声はこの時によく出るな」という、その子だけのパターンも少しずつ見えてきます。
さくらちゃん・さいちゃん・ぽぽちゃんを見ていても、鳴き方は本当にそれぞれです。
参考資料
- Across the world, parrots show large variation in vocal repertoires飼育下のオウム類877羽を対象に、人の言葉やフレーズ、生活音などの音声模倣と個体差を調べた研究です。
- オウム類の音声学習・発声に関する研究学習した発声と、その使われ方について確認する際に参考にしました。
※鳴き声の意味は、声だけで一律に判断できるものではありません。この記事では、鳴いている時の状況や行動も含めて考えています。


