インコが手の上でウトウトしていると、「こんなところで寝るなんて、かなり懐いてくれているのかな?」と思いますよね。
うちでも、今のさくらちゃんは手のひらの上でよくウトウトします。でも、同じように雛から育てたさいちゃんは、手の上でウトウトすること自体がほぼありません。ぽぽちゃんも同じです。
さらに、先代のさくらちゃんは手の上で完全に寝てしまい、長いと数時間そのままということもありました。
何羽も一緒に暮らしてきて思うのは、「手の上で寝る=懐いている」と単純に決められるものではないということです。
この記事では、さくらちゃん・さいちゃん・ぽぽちゃん、そして先代さくらちゃんの実際の様子を比べながら、手の上で寝ることと警戒心、信頼関係について書いてみます。
インコが手の上で寝るのはなぜ?

手の上でウトウトできるということは、少なくともその時は、飼い主の手を「すぐ逃げなければいけない危険な場所」とは感じていないのだと思います。
ただ、私は「手の上で寝た=懐いている証拠」とまでは考えていません。今のさくらちゃんを見ていても、いつでも手の上でウトウトするわけではないからです。
さくらちゃんが眠そうになるのは、放鳥して遊んだあと、ごはんもしっかり食べて満足した頃が多いです。さらに、さいちゃんとぽぽちゃんを先にケージへ戻して、さくらちゃんだけが私と一緒に残っている時は特に落ち着きます。
手のひらに乗ったさくらちゃんの頭やほほ、のど、くちばし周りをマッサージしていると、だんだん目が細くなってきます。
基本は半目くらいですが、一時的に完全に目を閉じることもあります。マッサージしている時間を含めると、長い時は30分くらいそのまままったりしています。
遊んで、ごはんも食べて、ほかの2羽もケージへ戻った。さくらちゃんの場合は、そうやって安心できる条件が揃った時に、ようやく警戒を少し解いて休憩モードに入っているように見えます。
まず警戒心を解く、その先に「懐く」がある
インコとの関係で、私がずっと大事だと思っていることがあります。それは、最初から「懐かせよう」とするのではなく、まず「こいつは危険じゃない」と思ってもらうことです。
私は、警戒心を解き始めてもらったその先に、少しずつ信頼ができて、さらにその先に「懐く」があると思っています。
インコが逃げなくなったり、近くに来たり、手に乗るようになると、「もう懐いた」と思ってしまいがちです。でも、そこはまだ「この人は危険じゃなさそう」と警戒心を解き始めた段階かもしれません。
例えば、トンボが指に止まったとしても、「このトンボ、私に懐いた」とは思わないですよね。インコはもちろんトンボとは違いますが、逃げないことと懐いていることは同じではないという意味では分かりやすいと思います。
そこで「もう懐いた」と勘違いして、急に触ろうとしたり、追いかけたり、ズカズカ距離を詰めてしまえば、せっかく下がり始めた警戒心をまた上げてしまうこともあります。
噛む行動も、単純に「凶暴だから」で片付けられるものではありません。実際に暮らして感じた原因や接し方については、こちらの記事でも紹介しています。

もうひとつ大事だと思うのが、飼い主に対する警戒心が下がっても、周囲への警戒心までなくなったわけではないということです。
「この人の手は大丈夫」と思っていても、物音やほかの鳥、周囲の動きまで全部気にしなくなるとは限りません。「この人は安全」と「この場所全体が安全」は別なんだと思います。
手の上で寝る子と寝ない子がいる

うちでは、同じように雛から育てても、放鳥中の休み方がかなり違います。
今のさくらちゃんは、遊んで満腹になり、周囲も落ち着くと手のひらでウトウトします。普段は半目くらいですが、長袖の季節に服の中や袖の中へ入った時は、そのまま寝ていたこともあります。一方のさいちゃんは、手の上でウトウトすること自体がほぼありません。
というより、さいちゃんが放鳥中に眠そうにしているところをほとんど見たことがありません。放鳥中は「遊ぶ時間」「動く時間」という感じで、夜にケージへ幕をかけてからしっかり寝ているのかなと思っています。
もちろん、さいちゃんが懐いていないわけではありません。だからこそ、さいちゃんを見ていると「手の上で寝ない=懐いていない」ではないことがよく分かります。
ぽぽちゃんも、手の上でウトウトすることはありません。ぽぽちゃんは普段から警戒心が高めで、たまにテーブルの隅で右斜め45度くらい上を見ながらウトウトしていることがあります。
それでも長くて数分程度。少し休んでも、完全に警戒を解いて長時間寝るような感じではありません。
同じ家で一緒に暮らしていても、休み方や警戒心の出方は本当にそれぞれです。コザクラインコの性格や個体差については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

放鳥中に寝るのは大丈夫?

普段から手の上でウトウトする子なら、それだけを見て「体調が悪い」と考える必要はないと思います。大事なのは、その子にとっていつもの行動なのかを見ることです。
うちの場合、さくらちゃんが普通に遊んで、ごはんもしっかり食べ、そのあと手のひらでウトウトするのは普段から見ている行動です。
逆に、放鳥中はほとんど眠そうにしないさいちゃんが、突然ずっと目を閉じて動かなくなったら、私は「今日はいつもと違う」と考えます。
鳥は体調を崩した時にも、活動量が落ちたり、普段より眠そうになったりすることがあります。羽を膨らませた状態が続く、食欲が落ちている、動きが鈍いなど、ほかにも普段と違う様子が重なっているなら、「安心して寝ているだけ」と決めつけない方がいいでしょう。
インコの体調不良で見られる変化については、こちらの記事にまとめています。

結局、分かりやすい基準は「ほかのインコと比べてどうか」ではなく、いつものその子と比べてどうかだと思っています。
先代さくらちゃんと今のさくらちゃんの違い

左が先代さくらちゃん
手の上で寝るという話になると、私がどうしても思い出すのが先代のさくらちゃんです。
先代さくらちゃんと今のさくらちゃんは、どちらもメスでカラーも同じ。見た目も本当によく似ています。
しかも、どちらも「さくらちゃん」「ちょうだい」「ビトウィン」としゃべります。鳴き方も似ていますし、性格もよく似ています。
ここまで似ているので、私は今のさくらちゃんを、先代さくらちゃんの生まれ変わりだと信じています。これは何かを証明したい話ではなく、ずっと一緒に暮らしてきた飼い主として、そう感じているという話です。
ちなみに、さくらちゃんと同じカラーを含め、コザクラインコにはたくさんの色があります。カラーごとの見た目はこちらの記事で写真付きで紹介しています。

そんなそっくりな2羽ですが、ひとつ違うと感じるのが周囲への警戒心の強さです。
先代のさくらちゃんは、今のさくらちゃんより周囲への警戒心が弱かったように思います。ほかの鳥が近くにいても気にせず、マッサージをしなくても手の上や袖の中で自然にウトウトし始め、そのまま完全に寝ていました。
しかも数分ではなく、長い時には数時間そのまま。それだけ手の上でも周囲でも警戒を解いて休めていたんだと思います。
今のさくらちゃんも、私の手のひらではかなり安心してくれていると思います。普段は半目でウトウトすることが多いですが、長袖の季節に服の中や袖の中へ入った時は、そのまま寝ていたこともあります。私の手に加えて、周囲から身を隠せる環境だったことで、さらに警戒を解けたのかもしれません。
2羽を見ていると、「飼い主を信頼しているか」と「周囲まで含めて警戒を解いて休めるか」は別なんだろうなと感じます。
まとめ|手で寝るほど安心できる関係になるまで
インコが手の上で寝てくれたら、やっぱり嬉しいものです。でも、手の上で寝ないからといって「懐いていない」と落ち込む必要はないと思います。
さいちゃんは手の上でまったくウトウトしませんし、ぽぽちゃんもほぼ同じです。それでも、それぞれの形で人との関係を作っています。
私が一番大事だと思うのは、最初から「懐かせよう」と距離を詰めることではありません。まずは「この人は危険じゃない」と思ってもらうこと。
そこから少しずつ警戒心を解いてもらい、信頼関係を作っていく。その先に「懐く」があって、さらに安心できる子なら、手の上でウトウトしたり、そのまま眠ったりすることもあるんだと思います。
先代さくらちゃん、今のさくらちゃん、さいちゃん、ぽぽちゃんを見ていると、本当にそれぞれ違います。
手の上で寝てくれるかどうかを目標にするより、その子が今どこまで安心してくれているのか。そこを見ながら付き合っていく方が、インコとの距離は自然に縮まっていくと思っています。
